
【起動しない】誤って OCLP よりも先に macOS をアップデート・アップグレードして起動できなくなったときのリカバリ方法【トラブルシューティング】
みなさんこんにちは、たいくんです。
2025年9月16日に全く新しいデザインに生まれ変わったmacOS Tahoeがリリースされます。
この記事の執筆時点では、まだOCLPを使ってTahoeをインストールすることができませんが、それを知らずにアップグレードしてしまった場合、macOSが起動できなくなってしまいます。
この記事では、対応版のOCLPにアップデートする前にmacOSをアップデート・アップグレードしてしまった場合など、何らかの理由でOSが起動できなくなってしまったときのリカバリ方法と、二度と同じ過ちを繰り返さないようにするために覚えておくべき使い方をご紹介します。
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目次
この記事は誰向け?
対象者
この記事は、以下に当てはまる人が対象です。
- 古いMacを使っている
- OCLPを使って非対応のmacOSを使用している
- OCLPをアップデートする前に新しいバージョンのmacOSにアップデート・アップグレードしてしまった
- 自動アップデート機能によってアップデート・アップグレードされてしまった方も含みます。
- OSが起動しない・ルートパッチが適用できない
macOSのマイナーアップデート(例: 15.6 → 15.6.1など)であれば最新バージョンのOCLPでなくとも正しく動作することが多いですが、バージョンによっては過去のパッチとの互換性が失われてしまい、macOSをアップデートする前に対応したバージョンのOCLPにアップデートしなければならない場合があります(最近だと15.4以前から15.4以降にアップデートする場合)。
また、macOSのメジャーアップデート(例: 15.X → 26.Xなど)では、過去のパッチとは互換性がありませんので、必ず先に対応したバージョンのOCLPにアップデートしてからmacOSをアップグレードしなければ、正常に使用できなくなってしまいます。
このように、macOSのアップデートやアップグレードによって過去のパッチとの互換性が失われ、システムが正しく機能しなくなってしまいます。
この記事では、そのような状態に陥ってしまった場合への対処方法を解説します。
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リカバリ手順
まずは現状を把握する
まずは、お使いのMacがどのような状態になっているのかを確認する必要があります。その状態によって復旧手順が異なります。
- macOSは起動できるがルートパッチが適用できない・適用するとmacOSが起動できなくなる
- こちらの手順に進んでください。
- ルートパッチに関係なくmacOSが起動できず、プログレスバーで止まってしまう
- こちらの手順に進んでください。
- ルートパッチに関係なくmacOSが起動できず、侵入禁止マーク(円に斜線が入ったマーク)が表示される
- こちらの手順に進んでください。
1. macOSは起動できるがルートパッチが適用できない・適用するとmacOSが起動できなくなる場合
ルートパッチ適用時のエラーを確認する
まずはルートパッチを適用しようとしてみて、どのようなエラーが発生するか確認する必要があります。
「KDK download failed: No KDKs found for ビルド番号 (バージョン番号)」エラーの場合
このエラーは、ルートパッチの適用に必要なKDK(Kernel Debug Kit)の対応するバージョンが見つからなかった場合に表示されます。
多くのMacでは、システムの根深い場所にパッチを適用するためにKDKが必要となりますが、新しいバージョンにアップデートした直後は対応するバージョンのKDKが配信されていないなどの理由でパッチが適用できない状態に陥ってしまうことがあります。
大抵の場合、1つ前のバージョン(例えば、macOS 15.6.Xであれば15.5)向けのKDKがあれば、ほとんどの場合はそちらを使ってパッチを適用することができますが、誤ってベータ版またはリリース候補(RC)版の、正式リリース前のバージョンにアップデートしてしまった場合は1つ前のバージョンのKDKも見つからず、このようなエラーになってしまう場合があります。
この場合は、KDKが配信されている正式リリースバージョンのmacOSにダウングレードするか、すでにインストールされているバージョン向けまたは一つ前のバージョン向けのKDKが配信されるまで待つ必要があります。
macOSは、データを維持したまま以前のバージョンにダウングレードすることはできない(上書きインストールによるダウングレードはできない)ため、Time Machineバックアップなどを使用してデータをバックアップしてから起動ディスクを消去し、目的のバージョンをインストールしてからデータを復元する必要があります。
そのため、時間を待てる場合は配信されるまで待つことをおすすめします。
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対応するバージョンのKDKが配信されるまで待った場合は、配信されたKDKをインストールする必要があります。
KDKはインターネットからダウンロードする必要がありますが、ルートパッチが適用されていない状態ではWi-Fiが使用できない機種がほとんどであるため、別の方法でインターネットに接続してダウンロードする必要があります。
Wi-Fiを使わずにインターネットに接続するには次の方法があります。
- LANケーブルを接続し、イーサネット(有線LAN)接続を使用してインターネットに接続する
- 対応するiPhoneやiPadで「インターネット共有」を使用してインターネットに接続する
- 有線接続に対応するモバイルルーターを接続してインターネットに接続する
1つ目の手順は最もシンプルで一般的です。
ルートパッチが適用されていなくてもLANケーブルを接続してインターネットに接続することができるため、こちらが最も簡単でおすすめです。
しかし、ケーブルが届かなかったり、そもそもケーブルを持っておらず、接続することが難しい場合があります。
その場合は、インターネット共有に対応した通信プランを使用しているiPhoneやセルラーモデルのiPadを使うことでMacをインターネットに接続させることができます。
インターネット共有を使用する場合、iPhoneやiPadで「インターネット共有」をオンにし、USBケーブルを使ってMacとiPhoneまたはiPadを接続します。
しばらくすると、Macがインターネットに接続されるはずです。
この方法は、iPhoneやiPadのモバイル通信を使用してMacをインターネットに接続しているため、通信容量にご注意ください。
また、一部のAndroidデバイスでもモバイルホットスポット機能を使うことで、iPhoneやiPadと同様にUSB経由でインターネットに接続できることがありますので、お使いのデバイスの取扱説明書をご覧ください。
もし、モバイルルーターをお持ちの場合、モバイルルーターとMacをUSBケーブルで接続することでインターネットに接続できる場合があります。
多くのモバイルルーターはスマートフォンよりも通信容量に余裕があることが多いため、インターネット共有では通信容量が心配な場合はこちらの方法でインターネットに接続すると良いでしょう。
インターネットに接続することができたらルートパッチを適用します。
ルートパッチが適用できたらMacを再起動することで無事に復旧となります。
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もし、上記のどの方法でもインターネットに接続できない場合で他にパソコンをお持ちの場合は、他のパソコンでKernel Debug KitをダウンロードしてMacに転送するという方法があります。
USBメモリを接続することができればMacである必要はなく、WindowsパソコンやLinuxパソコン、デバイスによってはスマートフォンやタブレットなどでも可能です。
この方法を使う場合、まずはUSBメモリをexFAT形式でフォーマットする必要があります(多くの種類のシステムで読み書きできるようにするため)。
Macで行っても構いませんし、対応している場合は他のデバイスでフォーマットしても構いませんが、exFAT形式でフォーマットする必要があるため、Macで行った方が確実です(フォーマットを間違えるとMacで読み書きできない場合があります)。
USBメモリをフォーマットすることができたら、別のデバイスにUSBメモリを接続し、対応するバージョンのKDKをダウンロードします。
KDKは、こちらのApple Developerサイトから探すことができます。
このサイトにアクセスするにはApple Developerアカウントが必要です。KDKのダウンロードには無料のアカウントでも問題ありませんので、お使いのApple Accountでサインインしてください。
サイトにアクセスできたら、現在復旧が必要なmacOSのバージョンを確認し、同じバージョンまたは1つ前のバージョンと一致するKDKをダウンロードします(例えば、macOS 15.6.Xであれば15.6または15.5のKDKが対応しています)。
KDKがダウンロードできたら、ダウンロードしたファイルをUSBメモリにコピーし、USBメモリを復旧が必要なMacに接続します。
次に、MacでUSBメモリにコピーしたディスクイメージファイルを開き、中に入っているパッケージファイルをダブルクリックしてインストールします。
パッケージのインストールが完了したらKDKが正しくインストールされたため、ルートパッチを適用してください。
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「SystemVersion.plist build version mismatch」エラーの場合
このエラーは、macOSの自動アップデート機能によってインストール待ちのアップデートがある場合に発生します。
macOSでは自動アップデートの設定を変更しないと、アップデートが利用可能になると自動的にダウンロードを開始し、いつでもアップデート・アップグレードが適用できるようにシステムファイルの一部を書き換えます。
これにより、インストールされているビルドバージョンとシステムファイル(SystemVersion.plist)に記載されたビルドバージョンが異なってしまい、OCLPがパッチを適用することができなくなってしまいます(新旧混合した状態でバッチを適用してシステムが起動不能にならないように、このようなエラーが表示されるようになっています)。
このエラーを修正するには、次の2通りの方法があります。
- インストール待ちのアップデートをインストールする
- 「purgePendingUpdate」を使ってインストール待ちのアップデートを切り離す
最も簡単なのは、1つ目のインストール待ちのアップデートをインストールする方法です。
アップデートをインストールしてしまうことでインストールされたバージョンとシステムファイルのバージョンの辻褄が合うようになるため、「SystemVersion.plist build version mismatch」エラーが発生する事はなくなるはずです。
ただし、1つ注意があり、インストール待ちのアップデートがOCLPに対応したバージョンのmacOSであることを確認してからインストールする必要があります。
特にこの時期は次期メジャーアップデートであるmacOS Tahoeがリリースされたこともあり、近々(2026年の2月か3月あたりに)自動アップデートの対象になることが予想されます。
その時までにTahoeに対応したバージョンのOCLPがインストールされていれば良いのですが、Tahoeに対応したOCLPがいつリリースされるのかもわからないため、アップデートのインストールは気軽に行えるものではありません。
そのため、安全に確実にルートパッチを適用するには、2つ目の「purgePendingUpdate」を使ってインストール待ちのアップデートを切り離すことです。
「purgePendingUpdate」を使ってインストール待ちのアップデートを切り離す方法については、こちらの記事の少し下の方に紹介してありますのでそちらをご覧ください。
また、自動アップデートによって今後再び「SystemVersion.plist build version mismatch」エラーが発生しないよう、自動アップデートを無効化しておくことを強くおすすめします。
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ルートパッチを適用するとmacOSが起動できなくなる場合
ルートパッチは問題なく適用できるものの、その後の再起動でプログレスバーが表示された画面から進まなくなってしまう場合があります。
この場合はまず、セーフモードで起動(セーフブート)することができるか試す必要があります。
Macを再起動し、OpenCoreのブートピッカーが表示されたらShiftキーを押したままReturnキーを押して起動します。
プログレスバーが表示され始めたらキーを離して構いません。
その状態で起動し、ログイン画面の右上に赤い文字で「セーフブート」と書かれていればセーフモードで起動することができています。
セーフモードで起動することができたら、まずはルートパッチの再適用を試します。
OCLP Appを開き、「Post-Install Root Patch」内の「Revert Root Patches」を行います。
その後、Macを再起動することでルートパッチが取り除かれた状態になります。
その状態で通常通り(セーフモードではない状態の)macOSが起動することを確認します。やはり起動しない場合は電源ボタンを長押しして再起動し、再びセーフモードで起動します。
macOSが起動したら再びルートパッチを適用し、Macを再起動してみます。
問題なくmacOSが起動し、パッチが正しく適用されていれば復旧は完了です。
それでも起動しない場合は何らかの問題が発生している可能性があります。
- ルートパッチを取り除くと起動できる場合
- システムにインストールされた何らかのデータとルートパッチが競合している可能性が考えられます。最近インストールしたソフトウェアを削除するなどしてみて解決するかお試しください。
ソフトウェアを削除しても解決しない場合はクリーンインストールすることをおすすめします。
- システムにインストールされた何らかのデータとルートパッチが競合している可能性が考えられます。最近インストールしたソフトウェアを削除するなどしてみて解決するかお試しください。
- ルートパッチを取り除いても起動できない場合
- システムが破損している可能性があります。次の復旧手順に進んでください。
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2. ルートパッチに関係なくmacOSが起動できず、プログレスバーで止まってしまう場合
この場合、システムが破損している可能性が高いです。システムを上書きインストールして修復を試みる必要があります。
他のMacがある・起動できるOSがある場合
復旧が必要なMacとは別のMacをお持ちの場合や、復旧が必要なMacの別ボリュームなどに起動できるOSがある場合はそちらを使って復旧を試みることができます。
まずはUSBメモリを接続し、OCLP Appを使用して復旧が必要なシステムと同じバージョンまたはそれよりも新しいバージョンのmacOSインストーラーを作成します。
念のため、インストーラーを作成する前に、OCLP Appの設定から復旧が必要なMacの機種IDに変更し、USBメモリにOpenCoreもインストールしておいてください。
インストーラーを作成できたら復旧が必要なMacでそのインストーラーから起動します(USBメモリ内のOpenCoreから起動する必要はありません)。
その後、復旧が必要なボリュームにmacOSを上書きインストールします。
OSを上書きインストールすることで、システムが破損していた場合は破損した部分が修復され、問題が解決する可能性があります。
OSのインストールが完了したら、正しく機能することをご確認ください。ルートパッチが適用されていなければ適用してみて、正しく起動できるかご確認ください。
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他のMacがない・起動できるOSがない場合
復旧が必要なMacしかなく、他のMacやOSを使って復旧するのが難しい場合は、インターネットリカバリーなどを使用してネイティブサポートされたOSをインストールしてから復旧を行う必要があります。
ここで紹介する手順ではシステムを消去するため、データが消去されます。
後でデータが必要な場合は事前にバックアップが作成されている必要がありますのでご注意ください。
全くOSが起動できない場合、Macの電源を切り、Option + Command + P + Rキーを押したまま電源を入れ、起動チャイム音が2回再生されるまでこれらのキーを押したままにして、NVRAMリセットを行います。
リセットが完了したら電源を切り、次はOption + Command + Rキーを押したまま電源を入れます。
プログレスバーが表示され始めたらこれらのキーを離します。
しばらくすると、インターネットリカバリーが始まるはずです。
Wi-Fiネットワークへの接続画面が表示されたら接続情報を入力してWi-Fiに接続します。
リカバリに必要なデータのダウンロードが始まるため、完了するまでしばらく待ちます。
macOS復旧が起動したらディスクユーティリティを開き、左上の「表示」から「すべてのデバイスを表示」を選択し、サイドバーから、起動しないOSがインストールされた復旧が必要なディスク(多くの場合は内蔵ディスク)の型番名を選択します。
次に、右上の「消去」をクリックして以下の設定でフォーマットします。
- 名前: 「Macintosh HD」などお好みで
- フォーマット
- 起動しているmacOS復旧がmacOS Sierraまたはそれ以前の場合: Mac OS拡張(ジャーナリング)
- High Sierraまたはそれ以降の場合: APFS
- 方式: GUIDパーティションマップ
正しく入力したら、「消去」をクリックしてディスクを消去します。
ディスクが消去できたらディスクユーティリティを閉じ、macOSのインストールを行ってください。
インストーラーを進めようとしてエラーが表示された場合は、時刻が間違っている可能性があるため、以下の手順で正しい時刻になっていることを確認してください。
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まず、メニューバーの「ユーティリティ」から「ターミナル」をクリックしてターミナルを開きます。
次に、以下のコマンドを実行し、現在の正しい日付が表示されていることを確認します。
date
インターネットに正しく接続されていれば自動的に現在の日付になっているはずですが、正しい日付になっていない場合は以下のコマンドを実行して日付を設定する必要があります。
date mmddHHMMyy
コマンド中の「mmddHHMMyy」の部分には設定したい日付を入力します。
「mm」は月、「dd」は日、「HH」は時、「MM」は分、「yy」は年(下2桁)をそれぞれ2桁で入力します(つまり、1桁の数字を入力する場合は先頭に「0」を追加します)。
例えば、「2025年9月16日12時34分」に設定したい場合は以下のように入力します。
date 0916123425
コマンドの実行に成功したら、最初に実行した時刻を確認するコマンドを再び実行し、設定した時刻が正しく反映されていることをご確認ください。
その後ターミナルを閉じ、インストーラーが進められるかご確認ください。
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もし、High Sierraのインストーラーを進めようとして「復旧サーバに接続できませんでした。」と表示されて進めない可能性があります。
その場合は、以下の手順を実行してインストールできるようにする必要があります(こちらの記事で紹介されている方法を日本語にして紹介しています)。
まずはインストーラーを閉じ、最初の「macOSユーティリティ」の画面に戻ります。
戻ったら再びインストーラーを開きます。
インストーラを開いたらまだ続けるボタンは押さず、メニューバーの「ウインドウ」から「インストーラログ」をクリックしてログを開きます。
画面の下側にログが表示されるので、その状態でインストーラーの続けるボタンをクリックします。
数秒待って「復旧サーバに接続できませんでした。」と表示されたら、ログを上の方にスクロールし、以下のような文字列がないか探してください。
Failed to load catalog https://swscan.apple.com/content/catalogs/others/index-10.13-10.12-10.11-10.10-10.9-mountainlion-lion-snowleopard-leopard.merged-1.sucatalog: Error Domain=MSUProductManagerErrorDomain
このエラーが見つかったら、その部分をクリックして選択し、コピーします。
コピーしたらインストーラーを終了し、メニューバーの「ユーティリティ」から「ターミナル」をクリックしてターミナルを開きます。
ターミナルが開いたら、先ほどコピーしたエラーメッセージを貼り付けます。
その後、貼り付けたメッセージの中からURL部分(「https://swscan.apple.com/content/catalogs/others/index-10.13-10.12-10.11-10.10-10.9-mountainlion-lion-snowleopard-leopard.merged-1.sucatalog」の部分)だけを選択し、コピーします。
URLがコピーできたら、先ほど入力したエラーメッセージをすべて削除するか、実行しようとして入力欄を空にします(ターミナルを開き直しても構いません)。
次に、以下の文字列を入力します(まだ実行しないでください)。
nvram IASUCatalogURL="
ここまで入力したら、先ほどコピーしたURLを貼り付けます。貼り付けたら、URLの先頭にある「https」の「s」を削除し、「http」から始まるように変更します。最後に、以下の文字を入力してクオートを閉じ、コマンドを実行してください。
"
最終的なコマンドは次のようになります。
このコマンドは、NVRAMの「IASUCatalogURL」プロパティのURLを設定するコマンドです。
High Sierraのインターネットリカバリーでは、内部で使用されているSSLセキュリティ検証システムが壊れているようで、SSLを使わないURLに変更することでこの問題を回避するというものです(設定したURLはNVRAMに保存されているため、NVRAMリセットを行うことで元に戻すことができます)。
nvram IASUCatalogURL="http://swscan.apple.com/content/catalogs/others/index-10.13-10.12-10.11-10.10-10.9-mountainlion-lion-snowleopard-leopard.merged-1.sucatalog"
コマンドを実行しても特に何も出力はありませんが、正しくコマンドの実行に成功しているので、ターミナルを閉じて構いません。
コマンドを実行したときに何かメッセージが表示された場合はコマンドが間違っている可能性が高いため、どこかが間違っていないかよくご確認ください(スマート引用符機能などによって「”」の文字が変わってしまうことがあります)。
ターミナルを閉じたらインストールを続けて、インストールを行ってください。コマンド実行後にMacを再起動する必要はありません。
ネイティブサポートされたOSをインストールすることができたら、最新バージョンのOCLP Appをダウンロードし、OpenCoreのインストール・起動〜インストーラーの作成とインストールを行い、必要に応じてデータを復元してください。
新しいmacOSをインストールする際は、ディスクの空き容量に余裕があれば新しいパーティションやボリュームにインストールすることで、今回インストールしたネイティブサポートOSを残しておくことができます。
ネイティブサポートOSを残しておけば、再び起動不能に陥ってしまったときにネイティブサポートOSをインストールし直す手間を省くことができます。
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3. ルートパッチに関係なくmacOSが起動できず、侵入禁止マーク(円に斜線が入ったマーク)が表示される場合
この場合、ほとんどの場合は何らかの理由(キーコンビネーションを使ったNVRAMリセットなど)で起動ディスクがリセットされ、OpenCore経由ではなく直接OSを起動しようとしているか、OCLPが対応していないより新しいバージョンのmacOSをインストールしてしまった、といったことがほとんどです。
前者の場合、Optionキーを押しながらMacを起動してスタートアップマネージャーを立ち上げたら、再びOpenCoreから起動するように設定し直すことでOSが起動できるようになるはずです。
後者の場合、まずはセーフモードで起動できるか試みます。
多くの場合はそれでも起動できないことがほとんどですが、幸運にもセーフモードでなら起動することができた場合、その状態でインターネットに接続し、最新バージョンのOCLPにアップデートしてルートパッチを適用することで解決することができます(Wi-Fiを使わずにインターネットに接続する方法はこちらをご覧ください)。
ただし、Tahoe対応のOCLPがリリースされる前にTahoeにアップグレードしてしまった場合はルートパッチを適用することができないため、Tahoeに対応したバージョンのOCLP 3.0.0またはそれ以降がリリースされるまで待つか、対応しているバージョンのmacOSにダウングレードする必要があります。
macOSは、データを維持したまま以前のバージョンにダウングレードすることはできない(上書きインストールによるダウングレードはできない)ため、Time Machineバックアップなどを使用してデータをバックアップしてから起動ディスクを消去し、目的のバージョンをインストールしてからデータを復元する必要があります。
そのため、時間を待てる場合は対応したバージョンのOCLPがリリースされるまで待つことをおすすめします(ただし、セーフモードなどでOSが起動できる場合に限ります)。
セーフモードでも起動できない場合は、別のMacや起動可能な別のOSなどを使用して対応しているバージョンのmacOSをインストールし直す必要があります。
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他のMacがある・起動できるOSがある場合(2)
ここで紹介する手順ではシステムを消去するため、データが消去されます。
後でデータが必要な場合は事前にバックアップが作成されている必要がありますのでご注意ください。
こちらのセクションで紹介している手順に従い、インストーラーの作成と起動まで行います。
インストーラーの起動まで行うことができたら、上書きインストールではなく、クリーンインストールを行う必要があります(上書きインストールを行ってダウングレードすることはできないため)。
インストーラーから起動できたらディスクユーティリティを開き、サイドバーから起動しないOSがインストールされた復旧が必要なディスク(多くの場合は内蔵ディスク)のボリュームグループを選択します。
サイドバーから項目を選択したときに、右側の画面の左上にあるボリューム画面の下に「APFSボリュームグループ」と書かれていれば正しいものが選択されています。
次に、右上の「消去」をクリックして以下の設定でフォーマットします。
- 名前: 「Macintosh HD」などお好みで
- フォーマット: APFS
- 方式: GUIDパーティションマップ
正しく入力したら、「消去」をクリックしてディスクを消去します。
ディスクが消去できたらディスクユーティリティを閉じ、macOSのインストールを行ってください。
インストールが終わったら必要に応じてデータの復元を行ってください。
他のMacがない・起動できるOSがない場合(2)
こちらのセクションで紹介している手順と同じ手順で復旧することができます。
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二度と同じ過ちを繰り返さないために
自動アップデートは必ず切っておく
macOSではデフォルトで自動アップデートが有効になっています。
そのため、必ず設定から自動アップデートを切るようにしましょう。
自動アップデートを切る方法についてはこちらの記事のセクションで解説していますのでご覧ください。
注意が必要なのは、自動インストールを切っておくだけでは効果がなく、自動ダウンロードも無効化する必要があります。
アップデートがダウンロードされると、その時点でシステムファイルの書き換えが行われるため、自動インストールを無効化していても「SystemVersion.plist build version mismatch」エラーが発生してしまいます。
そのため、自動アップデートのインストールとダウンロードを全て無効化しておきましょう。
「App Storeからのアプリケーションアップデートをインストール」についてはこのエラーの原因とは全く関係ないため、お好みで設定してください。
アップデート後に自動アップデートの設定を確認する
macOS 15.4以降ではアップデートをインストールすると、自動アップデートのインストールまたはダウンロードが自動的にオンになる機能が搭載されました。
アップデートのインストール方法やタイミングによっては自動アップデートが有効化されない場合もあるものの、アップデート後は必ず設定が有効化されていないか確認することを強くおすすめします。
アップデート後に自動アップデートに関するメッセージが表示された場合は自動インストールまたは自動ダウンロードが有効化されているため、必ず設定を変更する必要があります。
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ベータ版やリリース候補版などの正式リリース前のバージョンはインストールしない
まだ正式リリースされる前のmacOSでは、OCLPパッチの開発が追いついていないことが多いため、インストールはしないでください。
これからmacOSをインストールしようとしている場合は、インストールしようとしているバージョンが正式リリースされているバージョンであることを確認するようにしましょう。
OCLP 2.4.0またはそれ以前のバージョンではリリース候補版のmacOSがインストーラーカタログに表示される問題があったため、リリース候補版を正式リリース版と勘違いしてインストールしてしまうといった事例がありました。
OCLP 2.4.1ではインストーラーカタログの取得方法を変更したことでリリース候補版はデフォルトでは表示されなくなりましたが、念のためインストーラーのダウンロード時にはそれが正式リリース版であるかどうかを確認することをおすすめします。
データのバックアップは必ず取っておくこと
いつこのように起動しなくなってトラブルシューティングが必要になってしまうかは分かりません。
大事なデータが入っている場合は、いつどのような時でもデータが消えても問題ないように、バックアップは必ず作成しておきましょう。
特にOCLPのような非対応バージョンのmacOSをインストールするツールでは、通常のアップデートとは異なり、どこかでデータが消える・消す必要がある事態が発生する可能性ははるかに高いです。
Appleからサポートされていない非公式のツールを使ってインストールしているということを自覚し、自分で対処できるように準備をしておくことがとても大事です。
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【超重要】Appleのサポートには連絡しないこと
もしもOCLPを使っていて何らかの問題が発生した場合、絶対にAppleのサポートには助けを求めないようにしましょう。
先ほども言ったように、そもそもOCLPはAppleとは関係ない非公式のツールです。
つまり、Appleからのサポートはありません。
OCLPを含め、こうした非公式のツールを使用する際は、必ず自己責任で使用することです。
自己責任とは、自分で責任を取ることです。OCLPで発生した問題は、AppleでもOCLPの開発者でもなく、あなた自身が自分で解決する必要があります(一般的な使い方であれば、OCLPのコミュニティに助けを求める事は問題ありません)。
もちろん、OCLPの問題をAppleのサポートに連絡して助けてもらったといった事例はありますが、本来であればこのようなサポートは行われませんし、ごく少数の例外です。
Appleのサポートに連絡してもサポート担当者を困らせることになるため、Appleのサポートからしてみれば迷惑行為ですし、非常識な行為でもあります。
そのため、OCLPを使用する際は「自己責任である」ことをしっかりと自覚し、自分で対処するべきであるということを肝に銘じておきましょう。
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さいごに
今回は、OCLPを使っていてmacOSが起動しなくなったときの様々なトラブルシューティング方法をご紹介しました。
何度も言っていますが、いつトラブルシューティングが必要になってもおかしくないため、そのような事態にしっかりと備えておくことが重要です。
この情報がトラブルシューティングに役立つことを祈っております。
Buy Me a Coffeeでは、緑茶1杯分からのサポートを受け付けております。
私の情報が役に立ったと感じていただけましたら、サポートをご検討いただけますと幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。それでは、また!
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