
Mac 用の軽くて高速な Markdown エディタ「MarkEdit」
みなさんこんにちは、たいくんです。
私はよく、マークアップ言語の1つである「Markdown」を使ってメモを取ったりドキュメントを作成したりしていますが、この記事では、Markdownドキュメントを作成するのに手放せないMac用のMarkdownエディタ「MarkEdit」をご紹介します。
MarkEditってどんなアプリ?
軽量で高速なMarkdownエディタ

MarkEditは、Markdown形式のテキスト編集に特化した、非常に軽量で高速に動作するオープンソースのテキストエディタアプリです。
軽量なのに便利な機能が盛りだくさん

MarkEditには、Markdownドキュメントを作成するのに便利な機能がたくさん搭載されています。
例えば、開いているMarkdownドキュメントの文字数や読了時間、ファイルサイズなどを表示する統計表示機能や目次機能、選択した複数のテキストを同時に編集する機能など、一度使い始めたら手放せなくなるような便利な機能が数多く搭載されています。
システム要件
記事執筆時点で最新のMarkEdit 1.24.0では、macOS Sonomaまたはそれ以降が必要です。
最新バージョンのMarkEditは基本的に、最新のバージョン2つまでをサポートする方針のようですので、macOS Sequoiaの次のmacOSがリリースされた際にはSonomaのサポートが終了する可能性が高いです。
より古いバージョンのmacOSで使用する場合は、古いバージョンをダウンロードすることができます。
記事執筆時点でダウンロード可能な古いバージョンは以下の通りです。
- バージョン1.20.3
- macOS Ventura向け
- バージョン1.12.0
- macOS Monterey向け
インストール方法と使い方
MarkEditのダウンロードとインストール
ウェブサイトからダウンロード・インストールする

MarkEditは、こちらにアクセスし、少し下のほうにある「MarkEdit-X.XX.X.dmg」をクリックするとダウンロードすることができます。

ダウンロードしたディスクイメージを開くとこのような画面が表示されるので、MarkEditのアイコンをアプリケーションフォルダにドラッグアンドドロップします。
これでインストールは完了です。
Homebrewからインストールする
お使いのMacにHomebrewがインストールされている場合、ターミナルを開いて以下のコマンドを実行するとMarkEditをインストールすることができます。
brew install markedit
MarkEditを使う

初めて(または新しくインストールした)MarkEditを開こうとするとこのような画面が表示される場合があります。
「開く」をクリックすることでアプリケーションを開くことができます。

MarkEditが起動するとこのような画面が表示されます。
Pagesやテキストエディットなどと同様に、ここからドキュメントを開いたり新しいドキュメントを作成したりすることができます。

MarkEditを初めて起動した場合、このような通知が表示される場合があります。

追加されたクイックルックプレビュー機能拡張により、Markdownファイル(.md / .markdown)のクイックルック画面でシンタックスハイライト付きのプレビューを表示することができます。
Markdownドキュメントを編集する

Markdownドキュメントを作成したり開いたりするとこのような画面が表示されます。
全体的にシンプルですっきりしていて、一切ドキュメント編集の邪魔にならない画面が特徴です。
ツールバーにはデフォルトで目次、見出し、テキスト装飾、リストのボタンが並んでおり、ドキュメント内の見出しにジャンプしたり、簡単なクリックでテキスト装飾を行ったりすることができます。
これなら、Markdownの構文を覚えられていない初心者でも簡単に使いこなすことができるでしょう。
目次にジャンプする

ツールバーにある目次ボタンをクリックすると、このように階層表示された目次が表示されます。
現在テキスト入力カーソルがある見出しのところに「▶︎」の記号がついており、長いドキュメントを開いていても、現在いる場所が一目でわかります。
飛びたい目次をクリックすることで、目的の見出しにジャンプすることができます。
見出しをつける

目次を挿入したい行にカーソルを置いた状態でツールバーの目次ボタンをクリックすることで、簡単に目次を設定することができます。
ショートカットキーでも目次を設定することができます。
テキストを装飾する

装飾をつけたいテキストを選択した状態で、ツールバーにある「B」のボタンをクリックすると太字に、「I」のボタンをクリックすると斜体にすることができます。
Command + BキーやCommand + Iキーでも装飾をつけることができます。
リストを作成する

ツールバーにあるリストボタンをクリックすることで、箇条書きリスト、番号リスト、Todoリスト(チェックボックスリスト)を簡単に作成することができます。
すでに入力された複数のテキスト行を選択した状態で、作成したいリストをクリックすると、選択した行をリストに変換することもできます。
ツールバーをカスタマイズする

デフォルトでは、シンプルなUIを保つためにツールバーの項目が少なくなっています。
ツールバーを右クリックして「Customize Toolbar…」をクリックすることでツールバーをカスタマイズすることができます。
追加したい項目をドラッグアンドドロップして配置を並び替えたり、お好みの機能を追加したりすることができます。
便利な機能
統計機能

メニューバーの「Edit」から「Statistics」をクリックするか、Shift + Command + Iキーを同時に押すことで、統計を表示することができます。
この統計には以下のものが表示されます。
- 文字数
- 単語数
- 文章数
- 段落数
- 読了時間
- ファイルサイズ
Markdownでドキュメントを作成する際は大変役に立つ情報です。
単語補完機能

長い英単語などを途中で入力している際、Option + ESCキーまたは地球儀(fn) + F5キーを同時に押すことで、入力中の単語の候補が表示されます。
入力したい単語を矢印キーまたはControl + Nキー / Control + Pキーで選択し、ReturnキーまたはTabキーを押すことで補完することができます。
マルチキャレット編集機能

複数の範囲を同じように繰り返し編集する場合、マルチキャレット編集機能を活用すると大変便利です。
Commandキーを押したまま複数箇所を選択するか、Optionキーを押したまま範囲を選択します。
同じ単語を全て選択したい場合は、右クリックして「Select All Occurrences」を選択します。

複数箇所を選択することができたら、そのままテキストを入力して置き換えるか、矢印キーを押してカーソルを移動した後にテキストを入力します。
これで、複数の箇所を同時に編集することができます。同じ単語を置き換えたり、複数の範囲を同時に書き換えたい場合はこの機能を使うことでとても効率よく編集することができます。
プレビュー機能拡張を使うと便利

MarkEditでは、機能拡張を使ってMarkEditの機能を増やすことができます。
機能拡張の1つである「MarkEdit-preview」を使うと、編集中のMarkdownドキュメントをリアルタイムでプレビュー確認することができるようになります。
ドキュメント内に配置した画像を表示することもできるので、内容が間違っていないかを簡単に確認することができます。
MarkEdit-previewのダウンロードとインストール

MarkEdit-previewをダウンロードするには、こちらにアクセスし、右上のダウンロードボタンをクリックします。

ファイルをダウンロードしたら、ダウンロードしたファイルを次のディレクトリにコピーします。
~/Library/Containers/app.cyan.markedit/Data/Documents/scripts/
Finderでこのディレクトリを開くには、Finderの「移動」メニューから「フォルダへ移動…」をクリックするか、Shift + Command + Gキーを同時に押して上記のディレクトリを入力し、Returnキーを押します。
または、ターミナルで以下のコマンドを実行してファイルをコピーすることもできます。
cp ~/Downloads/markedit-preview.js ~/Library/Containers/app.cyan.markedit/Data/Documents/scripts/
このコマンドは、ダウンロードしたファイルがユーザフォルダ内の「ダウンロード」フォルダ内に「markedit-preview.js」という名前で保存されている場合のみ正しく機能しますのでご注意ください。
ファイルをコピーすることができたら機能拡張のインストールは完了です。MarkEditを再起動して変更を適用します。
MarkEdit-previewを使う

MarkEditでMarkdownドキュメントを開いた状態でメニューバーの「Extensions」を開き、「View Mode」内の「Change Mode」をクリックするか、Shift + Command + Vキーを同時に押すことで編集モードとプレビューモードを切り替えることができます。

プレビューモードではこのように、Markdownドキュメントのプレビューのみが表示され、ドキュメントを確認することができます。

同じメニュー内の「Side-by-Side Mode」をクリックすると、サイドバイサイドモードになります。

サイドバイサイドモードでは、左側に編集画面、右側にプレビュー画面が表示されます。
中央の境界線を左右にドラッグすることで、編集画面とプレビュー画面の割合を自由に変更することができます。
デフォルトでは編集画面をスクロールすると、プレビュー画面も自動的に適切な位置へとスクロールされます。
プレビュー画面をスクロールしても編集画面はスクロールされません。
編集画面でドキュメントを編集すると、即座にプレビューも更新されるため、リアルタイムでプレビューを確認しながらドキュメントを編集することができます。
画像が正しく表示されない場合

ローカルにある画像へのパスが設定されたドキュメントのプレビューを表示した際、このように画像が正しく表示されない場合があります。
これは、MarkEditにファイルアクセス権限がないためです。

ファイルアクセス権限を付与するには、MarkEditメニューの「Developer」内から「Grant Folder Access」をクリックします。
すると、ファイルアクセス権限を与えるフォルダの選択画面が表示されるので、MarkEditでアクセスしたいフォルダを選択すると、そのフォルダのアクセス権限を与えることができます。
アクセス権限を与えることができたら、MarkEditを再起動します。

これで、ドキュメント内のローカル画像がプレビューで正しく表示されるようになります。
MarkEdit-previewの設定を変更する
MarkEdit-previewの設定は、MarkEditの設定からUIで変更することができません。
MarkEditの設定画面をシンプルに保つという考えをもとにして作られているため、設定画面からは基本的な設定のみが変更でき、高度な設定変更を行いたい場合は設定ファイルを編集する必要があります。
設定ファイルは以下の場所にあります。
~/Library/Containers/app.cyan.markedit/Data/Documents/settings.json
ターミナルで以下のコマンドを実行することで、既定のアプリで設定ファイルを開くことができます。
open ~/Library/Containers/app.cyan.markedit/Data/Documents/settings.json

設定ファイルを開くとこんな感じです。今回は「テキストエディット」で開きました。
MarkEdit-previewの設定項目はデフォルトでは存在しないため、自分で追加する必要があります。

設定ファイルはJSON形式なので、適切な場所に設定項目を追加する必要があります。
設定項目を追加するおすすめの方法は、あらかじめ次のコードをコピーしておき、設定ファイルの最後の行をトリプルクリックして選択した後、コピーしたコードを貼り付けることです。
"extension.markeditPreview": {
"autoUpdate": true,
"syncScroll": true,
"changeMode": {
"modes": ["side-by-side", "preview"],
"hotKey": {
"key": "V",
"modifiers": ["Command"]
}
},
"markdownIt": {
"preset": "default",
"options": {}
}
}
}

このようになっていれば問題ありません。このままだと正しい形式ではないので、修正する必要があります。

修正するといってもそこまで難しいことではありません。
「“extension.markeditPreview”: {」がある一つ前の行の最後に、「,」(コンマ)を1つ追加するだけです。
この画像のように、「}」の後に「,」(コンマ)が追加されていれば問題ありません。
これで、設定項目の追加は完了です。追加した設定項目はすべてデフォルトの設定となっているため、変更したい設定があれば変更を行います。
多くの人が変更するであろう設定項目は以下の通りです。
- autoUpdate
- 機能拡張アップデートの有無を自動的に確認します。
- syncScroll
- 編集画面をスクロールした際に、プレビュー画面を自動でスクロールさせるかどうかを設定します。
- changeMode: hotKey
- 編集モードとプレビューモードを切り替えるホットキーを設定します。
詳細はこちらの公式ドキュメント(英語)をご覧ください。
- 編集モードとプレビューモードを切り替えるホットキーを設定します。
設定項目を変更したら設定ファイルを保存し、MarkEditを再起動します。
その後、変更した設定が適用されていることを確認します。変更が適用されていない場合、設定ファイルの形式が間違っている可能性がありますのでもう一度ご確認ください。
さいごに
今回は、軽量で高速かつ多機能なMac用のMarkdownエディタ「MarkEdit」をご紹介しました。
公式ページでは、Markdownドキュメントとしてはかなりの重量級である10MBのファイルも軽々と編集できると謳っているほど非常に高速で軽量なので、巨大なファイルは扱う際でも快適に扱えるのが良いところです。
この記事では紹介しきれなかった様々な機能が他にもたくさんあり、「ショートカット」や「AppleScript」と組み合わせて高度な使い方をしたり、Apple Intelligenceの作文ツールを使って、AIとともに作業したりすることもできるので、Macで使えるMarkdownエディタを探していた方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでくださりありがとうございました。それでは、また!
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