【AV アンプ】Mac で Dolby Surround デコーダーを使う方法【サラウンド】

みなさんこんにちは、たいくんです。
MacをHDMIでAVアンプに接続し、サラウンドを楽しんでいる方の中には、「Mac以外はできるのに、なぜかMacだけDolby Surroundデコーダー(またはDolby Pro Logic IIなど)が使えなくて困っている」という人がいるのではないでしょうか?
光デジタル出力やRCA端子にも繋いで、無理やりDolby Surroundデコーダーを使っている人もいるそうですが、そんなことしなくても簡単にDolby Surroundデコーダーを使う方法があるのです。
とても簡単な設定を変更するだけなのですが、実はあまり知られていないようなので、今回はその方法を紹介します。


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Dolby Surroundデコーダーとは?

あらゆる音源をサラウンドに拡張する機能

この記事をご覧になっている方はすでにご存知だと思いますが、知らない方に向けて説明すると、「あらゆる音源をサラウンドに拡張する機能」です。

例えば、ステレオの音楽をこの機能を使って再生すると、AVアンプに接続されているすべてのスピーカーから振り分けられた音が再生されます。
AVアンプにセンタースピーカーが接続されている場合、音楽のボーカルの部分がセンタースピーカー付近から聞こえてくるようになったり、サラウンドスピーカーが接続されている場合は、効果音などの音がサラウンドスピーカーから聞こえてくるようになったりします。
もちろん、音源はステレオである必要はなく、3.1ch音源を7.1chに拡張するといった、サラウンドを上位のサラウンドに拡張することもできます。

機種によって種類が異なる

少し古いものや、エントリークラスのAVアンプでは最大5.1chに拡張する「Dolby Pro Logic II」や、最大7.1chに拡張する「Dolby Pro Logic IIx」、(Dolby Atmosとは異なる)2つのフロントハイトスピーカーまで拡張する「Dolby Pro Logic IIz」などが搭載されている場合があります。
最近の機種では、これらの代わりにDolby Atmosまで拡張できる「Dolby Surround(DSur)」というデコーダーが搭載されています。「Dolby Surround」デコーダーは、以前までのデコーダー(Dolby Pro Logic II / IIx)とは異なり、音楽用に最適化された「Music」、映画用に最適化された「Movie」、ゲーム用に最適化された「Game」といった、ソースごとに最適化されたモードはなく、1つの「Dolby Surround」デコーダーが搭載されているため、場面に応じて切り替える必要はありません(Dolby Pro Logic IIzも同じ)。

ここでは、これらのデコーダーをすべて合わせて「Dolby Surroundデコーダー」と記述します。
なお、新しい「Dolby Surround」デコーダーに関しては「DSur」と記述しますのでご注意ください。

なぜかMacだと使えない!?

実はこのDolby Surroundデコーダー、AVアンプとMacをHDMIで接続していると、Dolby Surroundデコーダーの項目が選べなくなったり、選んだとしてもフロントスピーカー以外からは何も聞こえなかったりなど、期待通りに動作しないことがあります。
その理由については後ほど解説しますが、実は、Macの設定を一つ切り替えるだけで動作させることができるようになります。


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Dolby Surroundデコーダーを使えるようにする方法

Macの出力設定を変更するだけ

実は、Macの音声出力をマルチチャンネルからステレオ(2ch)に変更するだけでDolby Surroundデコーダーが使えるようになります。

設定変更の手順は以下の通りです。
  1. Audio MIDI設定」Appを開く(デフォルトでは「ユーティリティ」フォルダ内)
  2. Dolby Surroundデコーダーを使いたい出力デバイスを選択し、「フォーマット」を2chのものに変更する*
すると、即座にDolby Surroundデコーダーが利用できるようになります。MacやAVアンプを再起動する必要はありません。

* サンプリングレートは、再生する音源と同じものを選びます。何を選べばいいかわからない場合は基本的に「44.1kHz」のものを選んでおけば問題ありません(音源と異なるものを選んだからといって音が出なくなることはありませんが、44.1kHzの音源が多く、もっとも一般的です)。

注意

「フォーマット」を8chのまま「スピーカーを構成...」で構成をステレオにしてもDolby Surroundデコーダーは使えません。その理由は後ほど解説しますが、必ずフォーマットを2chにしてください。


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マルチチャンネルだとDolby Surroundデコーダーが使えない理由

フォーマットを8chにした状態でAVアンプの音声信号情報を確認すると、「チャンネル入力」が「3/4/0.1」となっていることがわかります(画像はYAMAHA RX-V6A)。
これは、「フロント3ch」、「サラウンド4ch」、「サブウーファー1ch」、つまり、7.1chで入力されています。そして、ステレオ音源を再生した時や、そもそも音を鳴らしていないときでもこの表示は変わらず、常に7.1chで入力されているということです。

Dolby Surroundデコーダーは、少ないチャンネル数の音源をより多いチャンネルに拡張しますが、元々十分なチャンネル数が入力されているとき(AVアンプの最大入力チャンネル数と同じチャンネル数が入力されている時など)は、拡張する必要がないため、何もしません。

Macの場合は音が出ているかどうかは関係なく、(AC3パススルー時を除き)常に設定したチャンネル数でAVアンプに入力されているため、Dolby Surroundデコーダーを選べないか、Macに認識されていないスピーカーにだけ拡張され、そうでないスピーカーからは音が出ない*という動作になります。

そのため、Dolby Surroundデコーダーを使いたいときはフォーマットを2chに変更する必要があるのです。

ちなみに、Mac以外の機器では再生する音源に合わせて入力設定が変わるため、AVアンプの最大入力チャンネルと同じチャンネルの音源を再生すると、Macの時と同じく、Dolby Surroundデコーダーが選べないか、拡張処理されないのがわかると思います。

* YAMAHA RX-V6AはDolby Atmosに対応していますが、現時点ではなぜかMac側にトップスピーカーが認識されず、音を出すことができない状態です。そのため、ステレオ音源を再生中にフォーマットを8chにしてDSurを選ぶとサラウンドスピーカーからは音が出ず、フロントとトップスピーカー(画像では「FP」の部分)からのみ音が出ます。

この状態でフォーマットを2chに変更すると、すべてのスピーカーから音が鳴っていることがわかります。


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さいごに

Macで使えないと思っていたのは実はこんな理由だったからなんですね。
Dolby SurroundデコーダーがMacで使えない!というみなさんの悩みが解決できたのなら幸いです。とても簡単な設定を変更するだけなので、ぜひみなさんもお試しください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!それではまた!


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